月別アーカイブ: 2015年12月

噛みしめと頭痛

昨日は楽医舞療法の朝日舞先生の講座でした。

お話の後、実践編。オイルを足の裏に塗ってセッションすると足の裏からドロドロと・・・。

もちろん人によって違うようですが。

というわけで来年2月にもまた朝日先生の毒出し講座を行います。お楽しみに!!

『漢方の臨床』の投稿記事です。

 今回は噛みしめが改善していく過程で頭痛が軽快した症例をご報告致します。噛みしめていますと、身体全体に緊張が見られます。上下の歯と歯を離すだけでも身体の緊張が取れます。緊張性頭痛と呼ばれるものの中に噛みしめが原因となっているものがあるのではないかと考えています。

 漢方、養生を併用することで、なかなか治らない噛みしめの改善が早くなるように感じます。また噛みしめが完全に改善しなくても頭痛などの愁訴が和らいでいきました。

  

(症例1)45才 女性

【主訴】 噛みしめを改善したい。頭痛がある。ひどい時は吐き気がする

【既往歴】なし

【現病歴】1ヶ月ほど前から左側頭部がすごく痛い。週に1回位は吐き気がして戻してしまう。寝ると治る。噛みしめている。食欲はある。眠れる。

【経過】

 1年ほど前に生命保険会社に就職しました。当初は頑張っていたのですが、なかなか実績を上げられず、上司に圧力をかけられ性格的にも向いていないと思いつつ、とにかく1年は続けようと無理をしたようです。3月中旬より頭痛が始まり、ひどい時は吐き気もあるとのことで、脳神経外科への受診を勧め紹介しましたが、行かなかったとのことです。

気診で拝見すると頭部、左顎関節、肩、季肋部、ソケイ部、足に気の異常反応がかなり強くあると捉えられました。また冷えも捉えられました。

 水毒++、瘀血++ 胸脇苦満(左右共++)

養生法は、①とにかく休む ②温める ③顎をマッサージする

④呼吸法 ⑤甘いものは控えめに

漢方 柴胡桂枝乾姜湯 11回朝 1/3包 (0.8g)

徐々に頭痛は軽くなり回数が減り2か月後には治まりました。(メール確認) 

 

(症例2)61才 女性

【主訴】噛みしめていると思うので養生を教えてほしい。

    身体の付き合い方を知りたい。頭痛がたまにある 

【既往歴】小児結核、突発性難聴、花粉症、高血圧症(40代より治療中)、緑内障(41歳より治療中)

【現病歴】数年か前からたまに頭痛がある 

【経過】長い間に色々な病気をしてきたので養生で少しでもよくなると嬉しいとのことで来院されました。

(初回)

 気診 目、鼻、顎、肩、ソケイ部、足に気の異常反応が認められました。

  水毒++、瘀血++

 養生指導  ①肩に力が入っていたのでまずは力を抜くこと

 ②耳の上を持ち頭を上に持ち上げる ③鼻の下を伸ばす ④顎マッサージ

 ⑤鎖骨下マッサージ  ⑥ソケイ部マッサージ

 漢方 コタロー当帰芍薬散 11回 夜1/5包 0.6

(2回目)

 頭痛と膝の痛みがなくなった。身体が楽になった

 気診 水毒+ 瘀血++

 養生 深呼吸を加えるよう指導

 漢方は同様

3回目)

 顎をマッサージしても痛くなくなった。頭痛はない

 血圧も下がってきた(朝150台⇒130140台)

 気診 水毒- 瘀血+

 養生、漢方は同様

4回目)

 気診 気の反応はよくなった。

 噛みしめが減った。血圧も安定していて、頭痛はない。

 養生、漢方は同様

 継続中

 

噛みしめと腰痛

お陰様で12月23日の大阪気診養生講座は午前、午後共満席となりました!ありがとうございます!新しい出会いが楽しみです。

さて『漢方の臨床』投稿記事です。ここからは『噛みしめ症候群』の症例になります。

噛みしめの影響が全身に及ぶということをこれまでの臨床の中で痛感しています。しかし最近思うに、噛みしめるから身体が緊張するのではなく、身体が緊張するから噛みしめるのではないかと考えています。

日々のストレス、人間関係、様々な事件や事故を見るにつけ知らず知らずに身体は緊張して生きているのではないでしょうか。何とか身体が壊れてしまうのを食い止めるために噛みしめ、歯ぎしりをし、歯が少しずつ削れていく・・・歯がクッションのような役目をしているのかもしれないと感じている今日この頃です。しかし、噛みしめ、歯ぎしりは歯、歯肉、顎関節に負荷をかけます。噛みしめを改善して口腔内の健康を保つためには身体を弛めていく必要があると考えています。

現在診療の中で、噛みしめを改善するために養生や鍼灸、アロマテラピーといった身体のケア、気診で合わせて漢方処方を行って身体を弛めています。今回は噛みしめが改善し、さらに腰痛も改善したのでご報告致します。

 

(症例1)53才 男性

【主訴】 噛みしめる、腰が痛い

【既往歴】なし

【現病歴】2か月ほど前から噛みしめている。疲れが抜けない、腰が痛い。

【経過】会社の引っ越しの責任者になり、ハードな日々を送った所、腰が痛くて動けなくなった。夜噛みしめているように思う。鍼灸院で治療してもらって腰はだいぶよくなったが、まだ動くと痛い。疲れも抜けにくい。

【経過】

(初回)

ストレスが溜まっており、疲れがたまっているとのことで身体も右に傾いていました。気診をすると頭、肩、右季肋部、腰、足に気の異常反応を捉えました。

胸脇苦満++ 瘀血++ 水毒++

顎、鎖骨下、ソケイ部のマッサージ、呼吸法などの養生法をご指導しました。

漢方はツムラエキス剤、補中益気湯を夜1包と八味丸1/5包(0.5g)

1ヶ月ほどしてだいぶ楽になってきたとのこと。噛みしめも改善してきた。

腰はもう大丈夫とのこと。

(2回目)

漢方を飲んでいた方が調子がよいとのことで、桂枝茯苓丸に変更して現在に至るまで服用している。

噛みしめ症候群

まずはこちらをお読みください。

井出デンタルクリニックブログ

こちらはいつも連携させて頂いている銀座の井出先生のブログです。歯科医が全国で10万人

そのうち噛みしめについて理解しているのが1000人

そしてその治療ができるのが100人?

噛みしめていることは全身に影響を及ぼしています。

噛みしめていると自覚していなくても歯と歯が当たっているだけで身体は緊張しています。

銀座漢方 天クリニックでは噛みしめを改善する様々なアプローチをしています。

噛みしめない身体作りをすることが大切です!!

舌痛症に漢方

『漢方の臨床』投稿記事です。

舌痛症は、舌に器質的な変化が認められないが、慢性的な痛みやしびれが生じる病気です。40代、50代の女性に多く、器質的な変化が認められないため「気のせい」にされることが少なくなく、治りにくいものとされています。ストレスを抱えている人に多く、歯科治療を契機に発症することもあります。症状は舌の先端や縁にひりひりとした痛みがあります。味覚障害を伴う場合もあります。

原因ははっきりとしておらず、義歯などが合わないことによって起こることもあります。味覚障害を伴っている場合は亜鉛不足の可能性もあると言われています。神経質で几帳面な性格の人に発症しやすいようで、舌のことを気にしすぎると痛みがひどくなるようです。

治療は、義歯などの刺激であれば義歯の調整、亜鉛が不足している場合は亜鉛製剤を服用します。漢方薬が効く場合もあります。また悩みや不安がある人には抗うつ剤や精神安定剤を使用することもあります。

気診(後述)という方法を使って漢方を選択してみました。

【症例】80歳女性 155cm 48㎏

【主訴】舌がひりひり痛い

【既往歴】糖尿病、不眠症(デパスを服用)

【現病歴】10年位前より舌の先と辺縁がひりひりして痛み、お醤油などがしみる。色々な病院を受診。近年は口腔外科を受診し、うがい薬と1年ほど前に白虎加人参湯を投与されしばらく服用するが変化なし。現在はうがい薬のみ使用。

【経過】私の実家の内科を受診の折に舌の痛みが長くあるということで歯科医の私に声がかかった。

気診にて患者の気の状態を調べると、水毒+ 胸脇苦満++ 瘀血+

舌診 淡紅舌、薄白苔、やや乾燥

気診で漢方を合わせてみると柴胡加竜骨牡蠣湯

ツムラエキス1日に1/3包(約0.8g)を夜服用するように指導。

合わせて毎日行う養生も指導。

顎のマッサージ、鎖骨下マッサージ、ソケイ部マッサージ、呼吸法などを行ってもらう。

2回目 4月16日 舌の痛みはかなり改善してきたとのことで同様に投薬。

6月に内科の受診の折に、舌の痛みも違和感ももうないとのことで廃薬。

その後再発はしていない。

考察

患者は以前からの知り合いで、やや神経質な方でした。患者さん自身、舌の痛みはもう改善はないものと諦めているとのことでした。

五行という考えの中に「心は舌に開竅す」という言葉があります。胸脇苦満が強いために心の気の流れが滞っていて、舌への気の流れが悪いのかもしれないと考えました。そこで思い浮かんだ漢方が柴胡加竜骨牡蠣湯です。気診で合わせてみると合ったので試してみました。

柴胡加竜骨牡蠣湯の構成は柴胡、半夏、桂枝、茯苓、黄芩 大棗、人参、牡蛎、竜骨、生姜、大黄

傷寒八九日、、下之、胸満、煩驚、小便不利、譫語、

一身盡重、不可轉側者、柴胡加竜骨牡蠣湯主之。

邪が半表半裏の少陽に内陥し、少陽の内外上下を通じさせる枢機を失調させるので、多彩な兼証を呈す。少陽胆を傷るとさらに心や胃にまで病変は広がった結果多彩な症状を呈すに至ったとあります。

邪が体内の少陽(身体の脇)にこもって内外上下に気が流れなくなってしまい、そこに連なるあちこちの部位に症状が出てしまう。さらに胃や心にも症状が波及している。心が開竅する舌への気の流れも悪くなり、舌の痛みが続いていたと考えました。

柴胡加竜骨牡蠣湯の中の柴胡・黄芩は胸脇の気熱を和し心下以下の血鬱を下降し、胸脇苦満、往来寒熱、嘔、心煩、欬、経水不利、血熱を治すということで、胸脇苦満が取れ、滞っていた心への気の流れがよくなり、舌への気の流れが復活し症状が改善したと考えられます。さらに竜骨・牡蛎は固気し、水血の凝堅を軟らげ、顕著な臍上動悸を鎮め驚癇を治すということで、精神的にも落ち着いたものと考えられます。

漢方で想像以上に早く効果が出たことに驚きました。神経質な患者さんには普通では感じない程度の症状が、かなり強く感じてしまうのではないかと思ったことを反省しました。

東京薬膳研究所の武鈴子先生の食事指導

先日和食薬膳の武先生の食事指導がありました。

先生のお話はいたってシンプルなのですがとても続けやすくおいしくて毎日できるご指導です。

お一人は大ファンだったそうで先生の本を80冊もご購入

興奮気味に帰られました。

もうお一人方は糖尿病。武先生は以前成人病研究所で食事指導をされていたのでじっくりゆっくりお話して頂きました。

季節、五行そういったことを取り混ぜながらのお話でした。

次回の武先生の食事指導は2月9日(火)です!

ご予約お待ちしております。(当院の患者さんでなくてもOKです)

 

さて来週はまた赤坂で「気診養生講座」をやらせて頂きます!

コラボ講座になります。

若干名空いておりますので是非いらして下さい。

お申込:amaclinic@ama-jissen.com   (銀座漢方 天クリニック)

TEL 03-6274-6501

(セミナー詳細)

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■セミナー概要 (第1部)「顎から治そう!健康チェックと養生法」

担当:天クリニック 小倉左羅

肩こりの原因が“噛みしめ”かもしれないということご存知ですか?

銀座漢方 天クリニックではご自身の自然治癒力をアップして元気になる療法をしております。

その中でも一番大切なことは「養生」

お家で、簡単いつでもできて即効性のある養生法をお伝え致します。

肩こりの他にも手足の冷えや頭痛、歯の痛みなど様々な不定愁訴が改善していきます。

 

養生法をお伝えする前に「気診」という方法で皆様の身体の滞っているところを調べていきます。

滞っているところは凝っています。

養生法を続けますと滞りが取れていきます。

 

是非この機会に元気になる養生法を身につけて下さいませ。

銀座漢方 天クリニック

HP http://clinic.ama-jissen.com/

 

(第2部)「失敗しない家選びセミナー」 担当:ネクストワンインターナショナル(株) 田島亮

睡眠時間含め、人生の1/3以上時間を費やしている我が家。 家族との時間、趣味の時間、自分自身の時間、リラックスする時間、友人との時間・・・ 我が家では、様々な時間の使い方をします。 お気に入りの我が家で時間を過ごしませんか。

Nリノベでは、それを可能にします。

「中古×リノベーション」

エリア選定、価格、周囲の環境、築年数、間取り、広さ、賃貸か分譲か、新築か中古か、住宅ローンの組み方・・・ 家探しはやることが多岐に渡ります。 今回の内容は、「失敗しないための家選び」です。 Nリノベ HP:http://www.n-renova.com/

■日程 12/16(水)19:00~21:00

■参加費 3,000円/1名

■開催場所 ネクストワンインターナショナル株式会社 セミナールーム

(港区赤坂3-5-5ストロング赤坂ビル4F)

■得られる情報

(第1部) ・元気になる養生法 (その場で身体が楽になります) ・ご自身の身体の問題点診断

(第2部) ・失敗しないマンション選びの基準ができる ・消費税増税前にあわてることがなくなる ・ビジネスチャンスが生まれる -----------------------------------
名刺交換のお時間もありますのでお名刺をお持ち下さいませ。

大阪で気診養生講座開催します!

暮も押し詰まるころではありますが、下記の予定で講座を行います!!

お近くの方は是非いらして下さいね。

また全国どこでもお伺いしますのでご依頼頂けましたらと思います。

 

☆元気になる気診養生講座in大阪☆

皆様に元気をお届けすることが銀座漢方 天クリニックのミッション♡

 天クリニックで一番大事な養生法を皆様の街にお届け致します。

 初回はご縁の深い大阪で!!

 

日時 1223日(水祝)

    ①午前の部 10301200

    ②午後の部 13301500

 

講師:小倉左羅 (銀座漢方 天クリニック院長)

  

内容

   『噛みしめ』が全身に及ぼす影響

   お一人ずつ気診

   顎養生法のご指導

   質疑応答

 

会費:3000円(今回は第一回目で交通費ご負担がなしです)

 

場所:(株)グリーンウインド 会議室

大阪市中央区島之内1-22-22-602  第一住建島之内堺筋ビル 最寄り駅: 

 地下鉄堺筋線長堀橋駅徒歩3分    地下鉄御堂筋線心斎橋駅徒歩10

 

お申込

 銀座漢方 天クリニック

 中央区銀座6-7-18デイム銀座801B号室

 TEL 03-6274-6501   

 メール amaclinic@ama-jissen.com

  HP http://clinic.ama-jissen.com/

 

      *個別のご相談をご希望の方はその旨ご連絡下さい。

顎関節症に漢方

『漢方の臨床』投稿記事です。

漢方を併用して奏功しましたのでご報告致します。

顎関節症は歯科の疾患の中で最近急増しています。顎(あご)の関節を中心としてその周囲に起こる障害の総称です。口を大きく開けようとしても、こわばって開かなかったり、口の開閉時にカクンと音がしたり、関節や筋肉が痛むといった症状が継続する場合に顎関節症といいます。症状は多岐にわたります。

①筋肉の痛み、こり:顎の周辺、こめかみ、首すじの痛み、肩こり。

②関節の痛み:顎関節部や耳の穴の内前方あたりの痛み。

③顎の動きの制限:顎を動かしにくい、大きく開けられない、物がよく噛めない、どこで噛めばいいのかわからない。

④関節の異常音:顎を動かした時にカクンあるいはギシギシ、ミシミシ音が聞こえる。

⑤その他の症状:上記の症状に伴って、さらに頭痛、耳鳴り、手足のしびれ、めまい、鼻やのどの違和感。

(ヤフーヘルスケアより)

 

【症例1】57歳 女

【主訴】かみあわせが悪い、口が開かない

【既往歴】特になし

【現病歴】半年前に歯に冠を被せて以来、かみ合わせが悪くうまくかめない。口も開きにくく、肩こりもひどく辛い。目が充血している。イライラする。

【経過】

(初回)半年前に臼歯部に新しい冠を入れてから、かみ合わせが悪くなり口が開きにくくなった。何度かかみ合わせの調整をしたが、なかなかよくならないという状態で拝見しました。

気診をすると全体に冷えてかみしめて身体が緊張していました。

水毒++ 瘀血+++

まずはかみしめていることを自覚して頂き、上下の歯があたっていることで身体が緊張してしまうことをご理解頂きます。それは簡単な方法でわかります。まずはかみしめた状態で、腕の筋肉を押してみます。次に安静位にして同じ所を押してみると、圧痛も違いますし、押す指の入り方も違います。

そうして、まず安静位に顎を誘導します。安静位を身体に覚えてもらうため、何度か練習をしていきます。顎マッサージや鎖骨下マッサージ、ソケイ部マッサージ、深呼吸を1日最低2回各10回ずつ行って頂きます。

次に漢方を決めていきます。身体のまわりの気の異常(風邪ーふうじゃ)があるのでそれを取る漢方は桂麻各半湯でした。毎日朝1つまみなめて頂きます。

気血水を診ると、瘀血の反応が一番強かったので、合わせてみると桂枝茯苓丸でした。夜お湯に溶かして、ツムラエキス剤1/2包(約1.25g)飲んで頂きました。

最後にかみ合わせの調整(咬合調整)を行いました。

(2回目~5回目)

月に2回位のペースで咬合調整と養生指導を続けました。

少し軽くなってきたとのこと。かみしめていることに気付いたので、その時にすぐ口を開くようにした。漢方処方は同様でした。

2か月後になりますと、口もだいぶ開けれらるようになり、肩こりも改善傾向。かみ合わせはまだしっくりとはいかないが、以前よりはずっと良くなった。

漢方も同様で続ける。

3か月後、左側がやや高いということで、少し調整し、顎を右に移動した。漢方は桂枝茯苓丸のみとなり、量を1日1回夜1/3包(約0.8g)とした。

瘀血の反応は減ってきて、肩こり、イライラ、目の充血もなくなっていました。

4か月目、かみ合わせもほぼ安定し普通に噛めるようになった。

かみ合わせの調整でよくなるものと思っていたが、かみしめないようにしなければよくならないことがわかってよかったとご本人の弁。症状がなくなったので廃薬。

 

【考察】

顎関節症の治療は一般的に安静にし、鎮痛薬の投薬、強くあたるところがあれば咬合調整、スプリントといって、上か下の歯全体を透明なプラスチックのかぶせもので覆って、噛み合わせをがらりと変えて、何カ月か様子をみることがよく行われます。スプリントを入れていると、噛みこんだ時に、関節に強い力がかからなくなり、関節や周囲の筋肉が安静状態になります。病状の初期の場合にはかなりの治癒率を示します。さらに重症の場合は筋肉に麻酔薬を注射したり、関節内の炎症性滲出液を除いたりする外科的療法を行うこともあります。

今回は身体をリラックスさせる養生法と、駆瘀血薬の漢方で改善しました。なぜ口が開きにくくなるのかということが、顎関節のみの問題と捉えずに、身体が冷えて全身の筋肉が緊張し、そのためにかみしめてしまい、顎関節症になっていると私は考えています。ですから顎先マッサージなどで身体の緊張をほぐし、身体を芯から温め、身体がリラックスさせることによって、症状が改善したと思われます。

桂麻各半湯は長引いた太陽病、肌肉に鬱した熱を解すとあります。ほんの少しの量で表面の緊張が取れるのではないかと思われます。

そして桂枝茯苓丸の桃仁・牡丹皮は瘀血を取り、桂枝・茯苓が裏気の衝逆を和し水気の逆行を下行するということなので、上の方に上がった水がおりるのではないかと思われます。桃仁・芍薬・牡丹皮・桂枝は血流をよくする、血行を促進するとのこと、顎安節周辺の血流もよくなれば筋肉も弛んで症状は改善するものと思われます。

歯科領域でも漢方が併用されることによって症状の改善が早くなるものと考えられます。

インプラント術後の痛みが止まらない

「漢方の臨床」投稿記事です。

46歳男性

【主訴】インプラント術後の痛みが止まらない

【既往歴】交通事故による頸椎捻挫

【現病歴】インプラントの手術をしてから右下の顎周辺の痛みが止まらない

【検査所見】インプラント周囲にやや炎症あるが、それほど痛みの原因になるとは思えない程度。

【経過】2週間前にインプラント。抗生物質と鎮痛剤を服用、周囲の洗浄を続けるも痛みが取れない

気診で拝見すると、肩こり++、胸脇苦満(右季肋部)++ 瘀血++

漢方はツムラ小柴胡湯1/2包5日分、ツムラ桂枝茯苓丸1包×14日分

合わせて養生指導。顎マッサージ、鎖骨下マッサージ、そけい部マッサージ。

2回目 11月2日 痛みが変わらないとのこと。右季肋部の気の異常反応が取れていないため、怒っていないか尋ねると、痛みが止まらずとてもイライラしているとのこと。そのことが気の巡りを悪くしていることを伝えると、その場でご自身で肩の力が抜けたことに気付く。イライラするのを止めると約束して帰られた。漢方は同様に投薬

3回目 11月9日 痛みが減った。漢方は桂枝茯苓丸のみを投薬。その後消失

【考察】

口腔内の所見では、ひどい痛みが出るような状態には見えなかったのですが、ご本人の自覚としてはかなり痛みが強そうでした。小柴胡湯には口苦や口中不快感といった症状があるので、口腔内の症状にも効果があるものではないでしょうか。

小柴胡湯は、柴胡、黄芩、人参、甘草、半夏、生姜、大棗

本方証の病位は胸脇であり、少陽病の表す症候ははなはだ多い。胸脇心下の鬱熱を解する柴胡・黄芩に、心下痞硬を治す人参、水飲を和し嘔を治す半夏・生姜、胃部を温め補う生姜・大棗(甘草)が配されている。

要するに胸脇苦満、つまり自覚的には季肋部の痞塞感、他覚的には按圧に対する抵抗感を治する君薬が、柴胡・黄芩のペアであり、胸脇苦満を除けば往来寒熱、心煩、喜嘔その他の症状は和解されるのである。和解とは中和して解するのではなく、奥田謙蔵先生の名言によれば「病邪を潜かに消し黙して奪う方剤」であると、田畑先生の「傷寒論の謎」にありました。肝気鬱血が改善して痛みが改善したと思われます。

また小柴胡湯には黄芩、補中益気湯には升麻と清熱の生薬が入っていて効果があったので、どちらも口腔内の炎症が存在していたと考えられます。

さらに手術による瘀血も関係があり、駆瘀血薬の桂枝茯苓丸が必要かと思われます。

最後に、歯科治療自体がかなりストレスがかかる上、歯の痛みは眠りも妨げるほどのこともあり、精神的にもイライラしやすい状態になります。肝の反応は五行では怒り。イライラがさらなる悪循環を招き、ますます肝の気の流れが悪くなり治りにくくなると思われます。初回にそのことをお伝えせずに痛みが続いたものと思っています。そのことを自覚して頂くことによって、気の巡りがよくなり改善の方向にいきやすくなると考えています。